昨年のノーベル文学賞受賞者はノルウェーの小説家兼劇作家ヨン・フォッセであった。当時、イギリスの有名ブックメーカー「ナイサーオッズ(Nicer Odds)」は、受賞の可能性が高い作家として中国の作家チャン・シュエに次いで2位にヨン・フォッセを挙げていた。このことは、様々なブックメーカーが予想した作家の中から受賞者が出ることを証明する事例となった。
2006年、イギリスの有名ブックメーカー「ラドブロークス(Ladbrokes)」がその年の受賞作家オルハン・パムク(トルコ)を正確に当てたことで、世界中のメディアはこれらのサイトが提供する資料をもとにノーベル文学賞受賞者を予想する習慣が生まれた。
また、ナイサーオッズは今年の受賞の可能性が最も高い作家としてオーストラリアの小説家ジェラルド・マーナン(85歳)を挙げた。生涯オーストラリアを離れたことがないマーナンは、自身が生きてきたビクトリア州を題材に小説を執筆してきた。1974年に発表した初の長編『Tamarisk Row』を皮切りに、『The Plains』、『A Million Windows』、『Inland』、『Border Districts』といった作品を発表してきたが、国内で翻訳・出版された本はまだない。
マーナンを配当倍率4.5倍で1位に挙げたナイサーオッズは、他にも中国の作家チャン・シュエ(5倍)やアメリカで活躍する作家ジャメイカ・キンケイド(8倍)、韓国の詩人コ・ウンやカナダの作家アン・カーソン(10倍)などを受賞の可能性が高い作家として挙げた。
また、毎年候補に挙がるトマス・ピンチョン(アメリカ)やグギ・ワ・ジオンゴ(ケニア)は12倍、村上春樹(日本)やサルマン・ラシュディ(イギリス)は15倍、ジョイス・キャロル・オーツやスティーブン・キング(いずれもアメリカ)はそれぞれ30倍と50倍に設定されている。配当倍率が低いほど受賞を予想する人が多いことを意味する。今年のノーベル文学賞受賞者は10月10日午後8時(日本時間)に発表される。